NK細胞療法

患者様自身の血液から培養技術で刺激、活性化し、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)を増殖させ、再び体内に戻すという免疫治療です。免疫力を高め、NK細胞が直接がんを攻撃します。

NK細胞の発見と治療の展開

ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、1970年代Herbermanグループにより発見されました。初期の生態防御機構において重要な役割を果たしており、抗原の感作なしに腫瘍細胞、ウィルス感染細胞などに対して、強い細胞傷害活性を示すことが知られています。

今日、科学的理論、根拠に裏付けられた研究の基で、対外で高活性、高純度の人NK細胞の大量増殖、培養する方法が確立されました。これにより誘導した、NK細胞(一部細胞傷害性T細胞を含む)で、癌を治療する基礎研究、臨床医学応用による癌の免疫治療を行っています。

NK細胞の誘導と治療法

新しい癌の免疫治療法 ~活性化自己NK細胞療法~

今までの癌治療法は(1)手術法、(2)抗癌剤投与治療、(3)放射線療法による三大療法がよく知られています。しかし。これらの療法は体の負担が大きく、副作用が強い場合もあり、患者さんにとってつらい治療法となっています。特に、進行癌や末期癌については、抗癌剤の大量投与や放射線の大量照射による副作用も伴い、逆に寿命を縮める場合もありました。

最近癌の第4の治療法として(4)免疫治療法が期待されつつあります。免疫療法は、患者さんの低下した免疫力を高めて、患者の体内に侵入した細菌、ウィルス、腫瘍などを排除するための治療法で、体に優しく、副作用のない治療法です。免疫系は、他の異物や、病原菌が体内に侵入したとき、それを排除すると同時に、悪性腫瘍細胞にも働き、攻撃する自己防御システムを持っています。主に、悪性腫瘍細胞を攻撃するものとして、自然免疫系のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)、獲得免疫系のTリンパ球(細胞障害性T細胞)が知られています。

治療効果

副作用がない免疫癌治療

NK細胞は、抗原感作なしに腫瘍細胞、ウィルス感染細胞を破壊するリンパ球です。子供の頃には、体内にNK細胞数が比較的多く存在していますが、加齢に伴いNK細胞数は減少し、癌にかかる率も上がっていきます。体内にあるNK細胞と細胞障害性T細胞こそが、今日、最善の副作用がない癌治療であると考えています。

治療の流れ

NK細胞の培養と治療

患者さんから血液を50ccほど採取し、科学的な培養技術で刺激、活性化し、約2週間無菌状態で、数億~数10億個のNK細胞(一部細胞傷害性T細胞も含まれています)を増殖させ、生理食塩水に溶かし、再び静脈から患者体内に戻すという免疫治療を行っています。1回に投与する量は患者さんの状況により異なりますが、数億~数10億個のNK細胞数(T細胞を含む)で、通常健康な人が持っているNK細胞の数倍量です(一人の体内を循環する血液量は約4~5リットルでNK細胞量は約2億個とした場合です)。

治療期間

治療は患者さんの症状により異なりますが、基本的に3ヶ月で6回の投与治療が1クールになります。
※NK細胞による免疫治療法は、保険外診療となります。

再生医療等提出計画の申請許可情報

主なリスクと副作用:稀に悪寒、軽度の発熱などの合併症を起こすことがあります。

その他重要事項:当該製品は再生医療等の安全性確保等に関する法律(平成25年法律第85号)に従い、再生医療等提出計画を申請し、下記許可番号を取得しています。

届出名称:「活性化Tリンパ球を用いたがん治療及び予防を目的とする治療(活性化Tリンパ球療法)」
京阪クリニック(PC5150209)
再生未来クリニック 神戸(PC5150208)
サイエンスクリニック(PC7150120)
 

*再生未来のリンパ球培養は、ハイパーTリンパ球・活性化Tリンパ球・NK細胞を同時培養します。
その中で、NK細胞の比率をできる限り上がるように培養したものを「NK細胞療法」と呼んでいます。

主なリスクと副作用など

一部の患者様で軽度の発熱(38度以下)が認められる場合がまれにあります。

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