超音波の役割は近年、診断はもとより治療においても重要性がますます高まっております。また、画像技術の進歩とともに、集束超音波治療法(HIFU:High Intensity Focused Ultrasound)は、体にメスを入れること無くガン細胞を破壊する高い治療効果を得ることができます。HIFUは三次元放射線(サイバーナイフ、ガンマーナイフなど)の超音波版と考えることができます。
HIFU治療装置は、最初に経直腸による前立腺治療目的に開発され、その後集束超音波による体外からの治療が試みられるようになってきました。当院では超音波ガイド下に治療を行う「第三世代FEP-BY02 HIFU Tumor Therapy System」を使用しております。
超音波はリアルタイムに病変部を観察でき、超音波による治療後の経過観察が可能なことも大きなメリットとなっております。また、動きのある腹部臓器においては、リアルタイムに治療部位を観察できるというのも大きなメリットです。
当院のFEP‐BY02 HIFUは、37cmの球面体に1.1MHzの251個の超音波発信素子が並び、それらが1点に集束した固定焦点となっています。
多くのHIFUは超音波を下からのみ照射しますが、当院で使用しているHIFUでは、2つの装置によって上下どちらからの照射も可能です。
肝がんや膵がんの場合は、下からのみの照射では位置決めが難しく正確な治療が行えず、治療に時間がかかるため、約99%は上から照射が行われております。