低用量ナルトレキソンによる腫瘍増殖抑制の機序
1.血流中のメトエンケファリン(副腎髄質で多量産生されるエンドルフィン)およびベータエンドルフィンの上昇を誘発する。
2.腫瘍細胞膜上のオピオイド受容体の数・密度の増加を誘発することにより、既存濃度のエンドルフィンの増殖抑制効果に対する受容体の反応性を高めて、癌細胞のアポトーシス(細胞死)を起こす。
3.エンドルフィンの濃度上昇に反応してナチュラルキラー(NK)細胞の数および活性、リンパ球活性化CD8細胞の数を増加させる。
4.2006年9月よりミネソタ大学目ソニック・ガンセンターは国立癌研究所と共同で「ホルモン療法に反応しない乳癌の移転病変に対するLDNの効果」をPETで評価する第2相臨床試験を実施している。