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肌再生治療科の立場から「肌の再生医療」を、できるだけ判り易くご説明しようと考えています。
肌の再生医療とは、かなり古くなり傷んだ肌を若々しい細胞に置き換えるわけです。一度魅力を失って駄目になったものを再生するということです。ただ私の脳で考えると年を取ってきて、その働きがかなり低下してしまった細胞はまだ残っているわけですね。そういう、働きがまだ残っている細胞は方法によっては、別に取り除かなくても外から活動性と若々しさを取り戻させる再生方法もあります。
本来再生医療というのは、古くなったものは捨て、新しいものを導入することです。例えば自分の皮膚の傷んでいない耳の後ろから持って来るとか、こういうことです。お尻の皮膚というのは、皮膚科的に見ると、太陽紫外線をあまり浴びていないので、その分だけ遺伝子に痛みがない、だから若いのです。若さを維持したり、シワを改善したりするために、そういう細胞を採取して増やし、その増やした若い細胞を注入します。
もうひとつ、頭髪で考えてみましょう。頭髪は皮膚科的な部門ですから、再生医療の対象にはなります。だからヘアの方も、再生ヘアというものがあります。ただ、後頭部の毛と毛根を含めて切り取って薄毛のところに持ってきて植えるとか、まだまだそういうレベルですが、将来的には外部から毛になる細胞(角化細胞)の幹細胞を増やして注入するということも考えられますね。
日本では再生医療は現在、皮膚だけでなく、むしろ他の分野で、たとえば血管であるとか、心臓や骨とか、多様な臓器で進んでいると思います。将来的には、例えば病気の治療でも、再生医療的にiPS細胞ですとかES細胞が注目されています。これらの細胞は生まれた時に一個の細胞から増えて色々な機能を持たせることができるような、そういった臓器のもとになる若々しい細胞を増やして、例えば骨にするとかね、血管にするとか。それが再生医療として進んでいるわけですね。
皮膚に関して言うと、仮に自分の皮膚を火傷で失った場合、現在の最高の治療でも皮膚を全く元の通りにすることはできません。そういう意味での再生はできていませんけど夢として、理論的には私は全く正常の皮膚に戻すことは可能だと思うんですね。将来的には、火傷でケロイドになっているけれど、そこを元通りにすると。
それが本当の意味での再生医療だと思います。私が先ほど申し上げたのは、美容的な再生ということでしたが。ただそこは、新しく再生していくという意味では、技術的には同じわけです。
では美容につきましても、ベースは美容だから別個だということではなくて、それは美容も疾患、病気を治すのもベースは一緒だと思います。と申しますのは、年を取ってきたら色々な病気も出てきますけれど、やっぱり老化が病気を起こしているわけです。だからそういう意味で、老化というものに対して、少しでも若返らせるということは、病気になる可能性を減らすことになるわけですしね。
美容的なものでは、見た目のアンチエイジングという言葉で表現していますけれど、それは単にたとえばシミが無い・シワが無いというだけではなくて、姿勢がどうだとか、体型がどうとかね、全部含めての見た目のアンチエイジングであるわけですよ。
もちろん皮膚が変わってきて若々しく見えれば、本人にとってもいいことだから、そういう意味では、心の悩みも変わってきます。それはもう、昔から言われていることです。日本ではほとんどないことですが、
イギリスなどでは、40年前ほど前に、女性の入院患者さんは、今日誰かがお見舞いに来るとなると、もう完璧にメークをするんです。メークのスペシャリストがおりまして、メーキャップを全部してくれるわけですね。それで若々しく、明るくして人にお会いすると。そう言ったことを40年前からやっているわけですよ。やはり、精神的な明るさが全然変わってくるでしょう。
そういう意味では、日本はまだ遅れています。だから、紫外線を浴びて年を取ってくれば誰でもシミになる、シワになる、それは当然だ、と。みんなそう思っていたんですよ。年寄りがこうなるのは仕方がないと割り切っているというか、あきらめているわけです。
でも今は仕方がないじゃなくて、時代がだんだん変わってきて、ひょっとするとこの先、人間はもっと寿命が延びるとも言われています。今は最長で120歳と言われていますが、おそらく150歳とか、やがて200歳とか、理論的には800歳という話ですからね。だからそういう可能性もあるわけですよ。だからどんどん、若い細胞で変わっていくといいわけです。ただ、新しくなる元の細胞が年を取ったために、だんだん機能が悪くなるのでは困るわけです。だったらいくら変えても駄目だけど、若い細胞が若いままで存在することが可能になるのではないか考えられますね。
欧米人と日本人は肌は全然違います。癌に関して言うと、日本人の肌にはメラニンがあるから、その分紫外線がある程度止まります。おそらく白人に比べて1/10~1/50くらいにはなるでしょう。だから皮膚癌になるというのは、欧米の人に比べると極めて少ない。今はもっと皮膚癌罹患率は高いかもしれませんけれど、それでも欧米の白人の25分の1とかその程度でしょう。
ただシミに関しては、圧倒的にアジアの人、日本人、中国人、韓国人、みんなシミが問題ですよ。逆にシワは圧倒的に白人が多い。顔一面に多数のシワが出ます。
今、情報が氾濫している中で、多くの方は紫外線というものについて、しっかりした認識を持っておられず、いろいろ誤解や思い込みがあるのではないかと思います。
おそらく皆さんがご存じないのは、例えば紫外線と言ってもA波とB波では全く違うわけで、B波では日焼けします。また夏と冬と全然違っており、夏は冬の5倍の照射量があるわけです。それでA波は冬夏で半分くらいが減りますが、A波は年中来ているわけですね。そのA波が、誰かにシミがあったとしたら、そこに当たると絶対濃くなります。だからA波というのは、新しいシミを作る能力は非常に低いけれど、今あるシミを濃くする能力はB波よりも遥かに強い。だから、A波をいかにくい止めるかということが重要になります。
日焼け止めというのは、ほとんどSPFを目玉にして販売しています。SPF50とか30とはB波を止め紫外線が皮膚に届く量を日焼け止めを塗っていない素肌に比べて、50分の1とか30分の1にするということです。しかし、A波でも当たればシミが濃くなってしまうわけですから、SPF30の強力な日焼け止めを塗っても、シミは消えません。私に言わせれば、シミ対策ではA波をいかに止めるかという視点で買い求めないといけないわけです。この点は知らない方が多いのではないでしょうか。PA+++とか書いてあっても、充分な情報ではありません。PFAあるいはPPDと呼ばれる数値が8以上あれば20でも30でもすべて+++なんです。SPFはB波を止める強さを数値としてかなり正しく表現しています。
SPF50は、日本では長野県松本市(海抜約1000m)が年間通して最も紫外線が強いので、あそこで1日朝から夕方までで浴びる紫外線だったら、だいたい赤くなる50倍くらい。それを止めればいいとのことでSPFは最高値を50に決めたのです。でもそれはその時の知識であって、それが今でも正しいとは思っていません。
なぜかというと、例えば日光に20分間当たれば真っ赤になる人が、10分当たったのでは赤くならない、それは日焼けしないわけじゃありません。それを毎日続けたら10日目までには必ず真っ赤になる。なぜだかわかりますか?それは遺伝子に傷がついて、残り24時間たっても傷は半分しか直らないために溜まってくるのです。1日で焼けして真っ赤になるということは、むちゃくちゃ遺伝子に傷がついて、あなたの皮膚は大変なことになっているよ、と体が教えてくれているわけです。だから、例え二分の一、10分でも毎日浴びたらダメ。それは新しいシミを作り、シワを作る。
そうすると、朝起きたときに、出かける前に、窓を開ける前に日焼け止めを塗らないとまずいな、と思うわけですよ。それで生活スタイルというか、やっぱりどういうライフスタイルをしているかということが、エイジング、老化を決めているのです。それは食だったり、運動だったり、皮膚で言えば如何に紫外線に当たるか、それらが決めているんです。そして、それは赤ん坊の時からスタートするものです。
ただ、皮膚癌というのは免疫の力が大きく影響します。だから免疫が下がると、そういう病気を持っている人とか、あるいは移植して臓器移植して、免疫抑制剤を投与されている人は、癌になる確率が高い。皮膚癌で言えば5~6倍高いんです。免疫力が落ちていますから。紫外線というのは、免疫を落とす。それはもう解っています。一度当たると、10分でも20分でも、もし真夏なら10分当たったら免疫が落ちます。10日くらいしないと回復しない。
例えば紫外線は季節ごとに違ってくるわけですから。そういう正しい情報は気象庁が発表していますから、それを利用することもできるんですよ。ただ気象協会というのは、過去に違った情報を流していたことがあり、今でもその時の情報が一人歩きしていることがありますね。
紫外線のお話をしてきましたが、実は赤外線も、ある程度は悪いんです。赤外線に当たり過ぎると、シワの原因となることも証明されていますから。そんなことは知らない人が多いですね。だからお正月なんかに、一日こたつに足突っ込んでるということは、足にシワを寄せてるということになるわけです。
それは、ホットカーペットでも同じです。問題は温度ですね。42℃までならいいんですが、43℃を超えるとダメなんですよ。風呂も42℃までならいいんです。だから、我が家では絶対41℃です。温泉行っても43℃だと、皮膚はシワを作る方向に行きますよ。シワになりたかったら43℃以上のお風呂に入ればいいんです。冬は温泉に行く人が多いですけどね。あんまり熱い温泉に入浴するのはやめておいたほうがいい。それも証明されています。
肌細胞についてお話をさせていただきます。
皮膚というものは、表に出ている表皮というところと、その下のしっかりした真皮というところ、大きくこの二つに分かれます。私たちが言っている肌細胞というのは、表皮ではなくて下の真皮と言われるところにある細胞です。真皮というのは、弾力だとか、ハリとか、そういうものを全部担っている重要な組織で、表皮の機能は単なるバリアであり、普段一般の女性が気にされているハリとかツヤとか、そういう要素については全部真皮の方が重要となります。その真皮の構成成分は、有名なところではコラーゲン、エラスチンだとかヒアルロン酸だとか、よく化粧品なんかに使われているようなもの。それを作り出す細胞を肌細胞と呼んでいます。学術的には線維芽細胞という名前がついているのですが、難しいので、ここでは一応肌にとって一番重要な細胞ということで肌細胞というご説明をいたします。
肌細胞は、年齢によってどんどん変わってきます。若い頃からのケアが結局は必要なのですが細胞学的には新生児、生まれたときの肌細胞の能力を100とすれば、どんどん落ちていってしまい、上がることはありません。初期のフレッシュな、生まれたばかりの細胞はどんどん減っていくのです。私の経験的では4~5歳、小学校になる前の患者さんの肌細胞を火傷の治療で使うということで培養したことがありますが、やはり大人とそれほど大きな差はない。つまり、肌細胞の能力はどんどん落ちる一方、ということです。ただし年齢も一応関係していて、40歳~50歳くらいになりますと、かなり劣化してしまいます。
どのくらいになってしまうかといいますと、一つの指標として肌細胞はコラーゲンなど以外にも成長因子という、他の細胞に作用して元気づけるようなタンパク質を産出しますけれど、その生産量は新生児、0歳と40~50歳を比べれば半分以下に減ってしまっています。それはただ、紫外線やさまざまなストレスなどによって劣化してしまっていただけであり、肌細胞自体そもそもの能力は、ちゃんと持っているんですね。それは決して能力が低下したわけではなくて、色々なことに晒されたために「やる気をなくしている」というか、留まってしまっている。それを何とか元気づけさせよういうのが、肌細胞の治療の一つですね。良く似た治療法で、血小板療法、TNP療法というものがあります。これらは血小板の中に入っている肌細胞を元気づけるような成分を打ち込んで、少しやる気をなくしている肌細胞を元気にさせよう、というような方法ですが、所詮は薬剤のような感覚なので一過性ですし、決して根本的な治療にはなっていない。それでは肌細胞を取り出して、もう一度「ちゃんとやる気にさせる」というか、頑張ることができるような環境にさせる。そしてそれをまた戻してあげる、というのが最も理に叶った方法なのではないかと。こういったところから生み出されたのが、再生療法なんです。
人により肌年齢が違うと言われることもありますが、これを数値的に表現しようとしますと、なかなか難しいところがあります。極端な例で申し上げれば、糖尿病を患われている患者さんと健康な方を比べますと、明らかに元気は無くなっている。それが原因で、肌も少し悪くなっているのが、表面にも現れると思います。普通の健康な人の場合、それほど変わりはないとはいえ日焼けをよくされている方、たとえばサーファーですとか、そういう方は肌が実際カサカサしていますし、取り出された細胞一つにしてもやはり少し違う。増殖が芳しくないとか、成長因子の産出量が低いですとか、そういう傾向が見られるようですね。
10代の若い人の皮膚と30~40代くらいの方の皮膚を比べますと、汚さというか、菌がいるだとか、これは細胞培養における話ではありますが、実はそれは若い人の方が多いのです。多分、お手入れの仕方とか、そういうところの知識が少ない中でやっておられるからではないかと思うわけですね。意外なくらい皮膚の中に入り込んでしまっている菌、これは結構皮膚老化の原因の一つになっていますが、そういうものが確実に多い。データ化しているわけではありませんから、あくまで私の経験則によるものですが。肌のお手入れにしても、さまざまな情報が溢れていますから、どのような方法できちんとやればいいのかというのは多分、経験を積まれた40~50代の方の方が長けておられるのではないかと思います。そうした経験が不足しているような方ですと、適当なお手入れをしたりして、結局肌に良いことをしておられないのではないか、という印象です。